
多摩キャンパスの地域活動サークル「たまぼら」の佐野川チームが、お茶づくりに取り組んでいます。相模原市緑区(旧藤野町エリア)の佐野川地区で、地域おこしに取り組む住民の方々と連携して放置されていた茶畑の手入れを始めて2年。この春には2度目の茶葉の収穫にこぎつけました。製茶した後は、大学近くの団地や相模原市内の他の地域でのイベントに持参して、試飲してもらいつつ佐野川地区のPRに活用しています。今後も多摩祭ほか、法政の学生たちが活動する各地のイベントなどで披露していく予定です。
たまぼら佐野川チーム(代表・経済学部2年 宮田康一さん)が活動する佐野川地区は、JR上野原駅からバスで北へ約20分の、山梨県に近い山間部に位置しています。
佐野川では人口減少と高齢化が進んだために耕作放棄地が増えてしまい、美観の悪化や、地域の活気も削がれるという問題が起こっていますが、これに対し「佐野川地域おこしの会」(代表・藤本孝純さん)の方々が農地活用に取り組んでいます。たまぼら佐野川チームは、数年前から「地域おこしの会」と連携を始め、小麦や大豆の栽培を手伝ったり、うどんや味噌造りを体験させていただいたり、時には地域の歩道の草払いをしたりといった活動を続けています。そして、2年前からは、手入れがなされなくなって放置されていた茶畑でのお茶づくりに取り組んでいます。
お茶づくりでは、真冬を除く春から秋まで、剪枝(枝の刈り込み)や雑草取りを重ねて手入れしていく作業が必要ですが、学生たちがほぼ毎月1回、毎回5~10人ぐらいで担っています。その際、具体的な作業方法や時期の判断では、「地域おこしの会」や茶畑所有者の方々のご教授にお世話になっています。
今年は取り組んで2年目の収穫を迎えましたが、4月以降、5月末の収穫まで、下の写真のように作業を進めました。
自然相手の農作業は、少しの時期のずれが出来を左右します。昨年は茶葉が育ちすぎて固くなってしまい、淹れたお茶の風味が薄いと言われましたが、今年は昨年よりはよい状態で茶葉を収穫することができました。収穫の日、晴天の下、茶葉はつやつやと光って、素手で茶葉の選別作業を終えた後には不思議と手がすべすべになっていました。
慣れない機械を操ること、刈る時に樹形がきれいなアーチ型になるように意識すること、葉の色つやを見ること、香りを感じること…。活動の一つ一つが新しい挑戦で、貴重な経験となります。難しさがあるからこそ没頭でき、面白さややりがいにもつながります。また、作業しながら地域の方々から聞かせていただく話も、佐野川の農業の歴史を知ったり(お茶の栽培は50年ぐらい前からだとか)、地域で協力しあってきた暮らしの伝統を知ったりする機会になっています。
工場で製茶してもらってできたお茶は、インターネットでお茶専用のアルミコーティングした袋を購入して、密封パックしました。佐野川チームでは、このお茶を各地に持って行って飲んでもらうことで、佐野川のPRと交流活動に活用したいと考えています。既に、7月初めと8月初めに、大学近くのグリーンヒル寺田団地・たなばた祭りと相模原市城山地区での学生による「収穫祭」でご披露し、味をほめていただくと同時に、佐野川の地名を印象付けることができました。
今後も、多摩祭で多摩キャンパスの学生たちに飲んでもらったり、「たまぼら」の別のチームが活動する館ヶ丘団地に持って行ったり、「カフェ部」の飲み物メニューの一つとして提供したりすることなどを計画しています。もしイベントなどで試飲してみたいといったご希望があれば持参できるかもしれませんので、多摩地域交流センターまでご連絡ください!